集団討論のテーマは「○○市への旅行者を増やすにはどうすればよいかグループの意見をまとめてください。」等のように解決策を考える解決型のテーマのものがほとんどです。
オーソドックスな進め方(流れ)は以下のとおりです。
1:シンキングタイム
2:進行方法決定
3:議論
4:まとめ
練習するときも、この流れを頭に入れておきましょう。
1:シンキングタイム
時間をとって解決策を各自で考えます。
これは白い紙にテーマが書かれており(書かれていない場合は試験官が言うのでメモする)、試験官のほうで、「5分時間をとるので各自で意見をまとめて下さい」と言われることが多いです。
もし、テーマだけ提示されて、グループで意見をまとめてくださいと言われたら、自分たちでこのシンキングタイムをとります。
解決型のテーマでは解決策を出すわけですが、次の3点に注意してください。
1点目は、市役所の施策として何をするかを考えること。
具体的には、何かに補助金を出したり、何かを委託したり、施設を作ったりという視点が必用ということです。
例えば「外国人に対応できるよう市民全員が英語を勉強する」という意見には、市役所として何をやるかという視点が欠けています。
もし、英語で対応できる人を増やすのであれば、
「民間に委託して、外国人対応専門のコンシェルジュを主要な観光地に1人配置する」等と意見を言わなくてはいけません。
2点目は、何が原因かを意識して解決策を考えること。
原因は、出来るだけ具体的なデータ、事実、専門家の意見があると評価が高くなります。
日頃、新聞を読んでいるかどうか等で差がつきます。
必ずしも、新聞等の出典が必要というわけでなく、自分の体験を根拠にしてもかまいません。
3点目は、実行可能な解決策かどうかです。
例えば、外国人旅行者を増やすため、海外の首相を一同に会した夕食会を実施しPRする等、市の職員である試験官から見て現実的でない解決策は評価されません。
もし奇抜な解決策を出す場合は、実行可能かどうかも説明に付け加える必要があります。
それでは3分時間をとりますので「外国人旅行者を増やすにはどうすればよいか?」を考えてください。
2:進行方法決定
集団討論の時間は企業・自治体により様々ですが、30分~60分です。
その中でグループ内の結論を出さなければなりません。
これはかなりレベルの高い仕事です。
時間を気にせず、議論していると、結論が出ないまま終了となってしまいます。
結論が出ないのは最悪のパターンで低評価を覚悟しなければいけません。
結論は仕事の結果で有り、そのグループは結果を出していないと見なされるからです。
ですから、必ず結論を出すためにも、最初に進め方と時間配分を決めておきます。
そうすることで、「○時○分までにアイデアを出さなければいけない」というような意識がメンバーの中で働き、議論が効率化するという効果が得られます。(これを締め切り効果といいます)
時間配分は、メンバーでアイデアを出す部分に多く時間を割き、他は1分~3分程度で設定します。
そして、終了時間より少し前までに結論を出すように時間配分を組みます。
予備の時間を少し持っておけば、心にも議論にも余裕が生まれるからです。
進め方と時間配分について提案が有ります。
次の3つのステップで議論を進めてはどうでしょうか。
1番目に3分で「○○市への旅行者を増やすにはどうすればよいか?」をそれぞれ考えます。(討論前に設けられている場合はスキップ)
2番目に15分で意見出しを行って議論します。
3番目に5分で意見をまとめます。
残りは予備の時間とします。いかがでしょうか
3:議論
解決策と根拠(原因)を述べます。
Aさん:SNSで英語で情報発信をしたらいいと思います。○○新聞で訪日外国人についての記事を読んだことがありますが、最近ではSNSで訪問先を検索する人が多いそうです。
司 会:Bさんいかがですか?
Bさん:飲食店や旅館事業者向けに市の講座として英語の研修をしたらいいと思います。大手旅行会社の○○ツーリストによると、日本を旅行をした外国人の半数以上が旅館や飲食店で会話が出来ず苦労して
いるそうです。事業者の努力では限界があると思いますので、市が英語の研修を行い支援します。
Cさん:英語の研修はいいアイデアだと思います。積極的に参加を促すため、研修をうけた事業者は、市税の一部を免除したらいいと思います。
Bさん:いいアイデアだと思います。
4:まとめ
同じような意見をキーワードでまとめ、最後に再度結論を確認します。
こうすることで、試験官にしっかり結論を出したこと、内容の濃い建設的な議論を行ったことをアピールできます。
司 会:それでは今出た意見をキーワードでまとめ、最後にキーワードごとの中身を再度確認していきたいと思います。みなさんのほうでまとめ方にアイデアがありますか?
Cさん:英語研修をうけた事業者の税の減免、飲食店のメニューに英語版を作成したところに補助金、等は英語での対応力を強化するというキーワードでまとめてはどうでしょう。
Dさん:いいと思います。外国で外国人の好きな温泉旅行のPRを行う、外国の日本食レストランでデジタルサイネージを流す等は情報発信の強化ということでまとめてはいかがでしょうか。
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司 会:それでは再度私たちのグループの意見を確認します。大きく5つの施策が考えられました。
1つ目は英語での対応力強化、2つ目は情報発信力の強化、3つ目は旅行しやすい公共施設の整備、・・・。
まず1つ目の英語での対応力強化の施策の内容ですが具体的には次の2つです。
①英語研修をうけた事業者の税の減免
②飲食店の英語メニュー作成に対する補助金
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※時間があれば、キーワードから更にアイデアを出し付け加えます。
例えば、「英語での対応力強化」なら、「翻訳アプリの開発と無料配布」も考えられます。